2023/07/25
闇の鉄道史:直江津事件
みなさん、「直江津事件」というものをご存じでしょうか。個人的には鉄道事件はいろいろと防げることが出来た事件もあったのではないかと思うのもあります。そのひとつが「直江津事件」です。
事件当時に運行していた機関車(事件とは関係ない)
https://ameblo.jp/spezialkraften-beowulf/entry-12116634535.html
概要
当時の車内の様子(事件とは関係ない)
https://ameblo.jp/spezialkraften-beowulf/entry-12116634535.html
1945年12月29日午後7時頃新潟発大阪行の列車が国鉄信越本線黒井駅に到着。列車は満員で列車に乗車しようとしたが、乗車することが出来なかった。そこで在日朝鮮人3人は列車の窓ガラスを叩き割り無理やり乗車しようとしたところ、ある男性の乗客に阻まれたため、已む無くデッキにぶら下がり次の直江津駅まで行く破目になった。
直江津駅に到着すると、3人は男性に対し「乗降口から乗れないので仕方なくガラスを壊して乗ろうとしたのに何故妨害した」と詰め寄るが、「窓から乗り込むという方法はない」と男性が反論したため「朝鮮人に向かって生意気だ!ホームに降りろ!殺してやる!」と叫び、男性を直江津駅のプラットホームに引きずり降ろし、駅の備品であるパイプやスコップを持ち出して男性に襲い掛かり、メッタ打ちにした。男性は頭や左眼などに十数か所の傷を負い、その後絶命した。その後3人は緊急逮捕された。逮捕された3人は検事局に送られたが、まもなく逃走をして行方不明となり司法で裁かれることはなかった。この事件を「直江津駅リンチ殺人事件」とも言う。
時代背景
一部の在日朝鮮人は「第三国人(準戦勝国民)」を自称し、あるいは「朝鮮進駐軍」を名乗り、各地で不法占拠、闇市掌握、暴動、警察署などへの襲撃事件など社会問題になっていた。駅や電車における秩序も崩壊状態で、以下の出来事があったようだ。
大きな駅に着いた時、大変なことが始まった。第三国の連盟の腕章を巻いた、あまり風体のよくない若者が、窓から無理やりに乗り込んできた。周囲の人たちを押し退け、突き飛ばして場所をとり、氷が溶けて水の流れ出る臭い魚の箱をたくさん積み込んだのである。総勢七人のその連中はまったく言語道断で、座っている者を追い立てて、全員が座り込んだ。
それから少しして連中の一人が、「さあ、寝るとしようか」と言って立ち上がった。どうするのか見ていると、網棚の上の荷物を払い落とし始めた。棚の上に寝るつもりである。立っている人間の方を踏み台にして、棚に這い上がったその男は、まだ場所が十分でないのか、足元の荷物を蹴り落とした。ところがその荷物が運悪く、子どもを抱いていた婦人の上に落ち、子どもに当たったので、火のついたように泣きだしてしまった。
原文ママ
宗道臣「秘伝少林寺拳法」より
防げたのでは!?
この事件を振り返ってみると不思議な点があります。というのも、直江津駅で引きずり下ろされて、メッタ打ちにされている様子を大勢もの人が見ているのに止めに入ることが出来なかったのかということです。男性がボコボコにされている状態を見て見ぬふりをしていることです。駅員ですら駆けつけていない状態です。他の乗客はこの光景を見て何も出来なかったのかなと思うところもありますし、「何か行動をすると自分にも危害が及ぶかもしれない」という恐怖心から何も出来なかったというのもと推測できます。
男性が引きずり下ろす前に、他の乗客が男性を引っ張り上げることも出来たはずです。ただし、3人はぶち切れている状態ですのでもし引っ張り戻せたとしても、再び満員列車内に向かってくる可能性があります。その際は乗客が全員で逃げるという手段があると思われます。
満員電車なので逃げた際の圧迫感などはすさましいと思われますが、ちりぢりと逃走した乗客に犯人3人は恐らくターゲットの男性を見逃すかもしれません。ただ、犯人が無差別で犯行しようとしたら乗客と駅員とで抵抗をし、時間稼ぎをして警察に来てもらうという想像が出来ます。
いろいろな想定をしてしまうと何かしら解決方法はあったのかもしれません。今回はこの様な想定をしてみました。ただ、犯人は暴動ぎみというのと、(恐らく)恐れられていたという印象が既にあると思いますので行動にとれなかったのかもしれません。

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